冷えのぼせの解消法を知っておくと人生もが変わる!?

足は冷えているのに何故だか背中や顔がぽかぽかするし、
汗や皮脂で顔がべたべたに…。

こんなことがよくあるという方は、
特に女性には年齢を問わず多くいらっしゃることでしょう。

私がこの不思議な現象に気付いたのは大学生くらいの頃でしょうか…
凍えるように寒い真冬の日に、熱がこもるような上半身や顔の強烈なほてり。

あまりの熱さにくらくらしてきて、
もしかすると自分は冷え性なんかではないのかもしれない…と
勘違いすらしそうになったものですが、耐え難い通年の末端冷え性は治りを見せず…(涙)

そしてその症状の正体が「冷えのぼせ」なるものだと知ったのはここ最近のこと。

私はこれを知るのが遅かったため、長らくのお付き合いになってしまいました(涙)

しかし、症状の原因や対処のコツを知ってえけば、
冷えのぼせによる赤ら顔やほてりとも上手にお付き合いはできますよ!!

ということで、今回は冷えのぼせに対処するために知っておくべきあれこれを、
たっぷりとご説明させていただきますね。

目次

■冷えのぼせで頭痛!?こんな症状には冷えのぼせの可能性が!!

まず覚えておいていただきたいのが冷えのぼせによる症状の特徴ですが、
初期段階で見られるものと、それを放置することで進行して起こり見られるものがあります。

〈初期段階で見られる症状〉

冷えのぼせの大きな特徴は、
上半身は熱く下半身や末端は冷えていることや、
冷えのぼせの汗独特の汗のかきかたです。

●末端の汗

足裏や手の平にやたらと沢山汗をかく傾向が強くあります。

●上半身だけが熱い

手や足など末端は冷えているのに上半身や
頭は熱くぽかぽかするという体感の激しい差があります。

●上半身の汗

気温が高くなったり体を動かすけなとで、
上半身だけ大量の汗が出るほどに熱くなることも多くなります。

●暖房による汗

寒い冬でも暖房が効いた場所にいると、
何故だか汗をかくほどに熱くなってしまいます。

〈冷えのぼせの進行により見られる症状〉

冷えのぼせを解消しようとせずに放置しておくと、
症状は上半身の熱さや汗に止まらず自律神経をどんどん乱れさせ、
様々な場面で日常へと多岐にわたるやっかいな支障をきたすようになります。

●精神的な不調

不安やイライラで精神的に落ちつかない状態になる

●頭がふらふらする

バランスを崩した自律神経のせいでコントロールがきかない頭はふらふらと、
めまいをおこしたりもします。

●不眠

自律神経の乱れで睡眠のリズムまでも狂いはじめます。

●心身ともに疲れやすくなる

肩など体の部分に凝りやむくみ、
吹き出物なども出て、心身ともに疲れを感じやすくなります。

●各部分の痛み

頭痛をはじめとして腰痛などの体の痛みや生理痛までも酷くなる傾向にあります。

ほてりや汗だけでも充分なしんどさがありますが、
こんな強烈な症状までついてくるとなると、恐ろしすぎて放置なんてできっこなくなるものですが…
これを改善するには一体何をすればよいのでしょうか!?

■冷えのぼせの汗などの改善に押さえるべきポイント!!

まず、冷えのぼせの症状を改善したいときに気を付けていただきたいことは、
自律神経の乱れを悪化させないよう整えることと、ほてりのある上半身をいたわることです!!

〈自律神経の調整のためのポイント〉

乱れると様々な器官や幅広い場面に悪影響を及ぼす自律神経の調整に大切なのは、
心身を正しく休めてリラックスさせることです。

●睡眠の質を上げる

寝る前のスマホいじりや寝る直前のお風呂は寝付きを悪くしてしまうため、
90分前くらいには止めて、寝る前には瞑想やヨガをして心や体を整えたり、
自律神経やリラックスに効果が期待できるラベンダーやゼラニウムなどのアロマを使用するなどして、
できるだけゆっくりと過ごしましょう。

また、五本指タイプではない足先のある靴下を履いて寝ることも、
指と指との間の汗や暑さなんかで快適な睡眠を妨げるため避けましょう。

●入浴への配慮

冷えのぼせの方が温めのためにと無理に長時間の入浴をすることは、
のぼせてやめまいを起こし、倒れてしまう可能性もあるためとても危険です!!

また、お湯はまず40度くらいまでのぬるめに設定しておき、
ぬるすぎる場合には追いだきすることなどで上手く調整をし、
体に負担をかけないリラックスに適した入浴を心がけましょう。

●首のうしろを温める

リラックス状態をつくる副交感神経を優位にする首のうしろの温めには、
イライラが解消されて自律神経のバランスが整うことで、
睡眠の質を上げたりや血行不良を解消するなどの様々な効果を期待できます。

〈上半身のほてりをいたわるポイント〉

上半身のほてりをいたわり軽くするためには、
極端に冷えた下半身を温めて冷えを解消することが大切です。

●ほてりの熱を逃がす

冷え症を改善するために温かくしておくべき体の部分は、

足首・お尻や腰・お腹・首のうしろ

などですが、熱くほてりを感じたときには、
頭や顔・脇下といった熱を溜めやすい部分を冷やして熱を逃がす必要があります!!

●汗冷えやしめつけに注意する

汗を吸っても乾きにくい素材の服や、
のぼせの症状がでたときに熱を逃がせない首のきっちりと詰まった
タートルネックなどのトップスは、汗冷えをしてしまうため避けましょう。

首元の温めには、ストールやネックウォーマーなどの
着脱が簡単なアイテムの使用がおすすめですよ!!

靴下による汗冷えや締め付けのある下着による血行不良も下半身の冷えを悪化させるため、
五本指ソックスの使用やレッグウォーマーで足先を露出するなどで上手に温めましょう。

しかしセルフケアによる改善を試みてもいまいち上手くいかない…という場合には、
医療機関の受診ですよね。

■冷えのぼせを病院 で診てもらうときに検討したいアレ

いわゆる『自覚』がないため気付かずに過ごしている方も多い、
冷えのぼせや冷え症を病院で相談する場合に検討していただきたいのは、漢方治療です。

漢方治療に用いられる診察の多くは、はっきりとマニュアル化された西洋医学とは違い、
『何となく…』のような個人差のある症状を観察していくものであるため、
冷えのぼせや冷え症といった身体感覚の不調の改善には向いていると言えます。

〈漢方治療とは〉

漢方治療は、個人の体や性格に生活のスタイルなどをも
しっかりと診ることでそれぞれに合う方法で体質を根本から改善していくという
予防医学の漢方医学(東洋医学)で用いられる漢方薬の処方による治療で、
多くは診察も西洋医学とは違う独特の方法で行われます。

●四診

漢方治療では、体質・性格・ライフスタイルやライフサイクル・月経についてといった
細かな問診や、脈や舌を診ることなどで薬を慎重に選んでいくという、
漢方医学特有の四診という診察方法を適用することが一般的です。

●気・血・水理論

漢方医学では人体は気・血・水の液体で構成されているという理論に基づいて、
どのようなタイプの状態の傾向にあるか「証」を導きだして体を診ていきます。

気・血・水理論で冷え症を診ると、
熱を生み出すエネルギーが不足している『気虚』や『血虚』の状態や、
熱の循環が滞った『気滞』・『於血』・『水滞』の状態、
またはいくつかの状態の合併などが考えられます。

〈処方される漢方薬〉

処方する漢方薬は、四診や気・血・水理論のタイプなどによって選ばれますが、
それぞれで多く適用される代表的なのは、以下のような種類の漢方薬です。

●熱不足の気虚

熱をつくる力自体が足りていないタイプで、体を温める作用があり補陽薬とされる、
朝鮮人参や、桂皮、附子、黄耆などの生薬を含む漢方が多く処方されます

・八味地黄丸(はちみじおうがん)
・補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

など

これらではまだ辛い場合には温裏薬とされる乾姜、附子、桂皮、細辛、呉茱萸などの生薬を含む、
当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)などの
漢方薬が処方されることもあるようです。

●熱不足の血虚

栄養が不足しているため充分に血が作られず足りていないタイプで、
栄養を補い補血薬とされる、
当帰、芍薬、地黄、竜眼肉、酸棗仁などの生薬を含む漢方薬が処方されます。

・十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)
・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
・人参養栄湯(にんじんえいようとう)

更なる熱を期待したいときには気虚と同じく、
温裏薬とされる生薬を含む漢方薬を処方されることもあります。

●循環不足の気滞

熱自体は足りているけれどストレスなどが原因で血や水を動かす気の巡りが悪くなっているタイプで、
心を整え理気薬とされる、
柴胡、厚朴、半夏、枳実、紫蘇、竜骨、牡蠣などの生薬を含む漢方薬が処方されます。

・桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)
・半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
・抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)

など

●循環不足の瘀血

熱自体は足りているけれど血の循環の滞りがあり「冷えのぼせ」を起こしやすいタイプで、
血の循環を整え活血薬とされる、
桃仁、牡丹皮、紅花、川芎、当帰などの生薬を含む漢方が処方されます。

・加味逍遙散(かみしょうようさん)
・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

など

●循環不足の水滞

熱自体は足りているけれど水の循環が滞り溜まっているという冷え症に多いタイプで、
水分の循環を促し利水薬とされる
茯苓、白朮、猪苓、沢瀉、ヨクイニンなどの生薬を含む漢方薬が処方されます。

・桂枝加苓朮附湯(けいしかりょうじゅつぶとう)
・牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)
・八味地黄丸(はちみじおうがん)

など

●ストレスによる冷え症

気・血・水のタイプとは別に、ストレスによる自律神経の乱れが様々な体の機能に影響を及ぼして
冷え症の大きな原因と診られた場合には、以下のような
自律神経の調整に効果が期待できるとされる漢方薬が処方されることもあります。

・桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)
・香蘇散(こうそさん)
・柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
・四逆散(しぎゃくさん)
・半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
・抑肝散(よくかんさん)
・抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)

など

もしも漢方治療について興味を持たれたという方は、
気になる漢方薬の詳細を調べてみたり、
病院にて処方の相談をされてみることもおすすめです。

■冷えのぼせには体質改善で打ち勝つ!!

さて、今回は冷えのぼせの症状や原因、
改善のためにできるセルフケアの方法や
漢方治療についてなどをお話しをさせていただきましたが、

・熱を逃がす
・体質改善

というのが大きな解消のポイントというわけです!!

というわけで、冷えのぼせの症状には上手くこれらの対処をしながら、
じっくりと時間をかけて体質改善を目指していきましょうね!!