今更聞けない?!お盆のお迎えとお見送りの正しい作法って?

お盆はお供えの時期も注意が必要です

一般的に法事のマナーとして、お盆の時期は813日から15日とされています。
ただし、東京の方では、1ヶ月も早い713日頃から15日を
お盆とする地域もありますので、注意が必要です。

つまり、地域によっては、お盆おお供えを用意する時期も違ってくるので、
あらかじめその地域がお盆を7月としているのか8月としているのか調べておかねばなりません。

そして、お盆のお供えは、戻ってきているご先祖様に対して
感謝の気持ちを表現するためのものですので、
殺生を連想させるお肉やお魚といったものは避けなければなりません。

よく利用されるものとして、くだものや甘いお菓子、日持ちするゼリーや羊羹、
期限を気にしなくてもよいお花やお線香があります。

ただし、どれも割り切れる偶数ではなく、奇数か数えられないような
盛り合わせになった状態にしておくことで、ご先祖様とのご縁が切れないと言われています。

目次

お盆のお迎えの時間に決まりはない?!  

じつはお盆のお迎えの時間も決まっているということをご存知ですか?

ちなみに、迎え火を持って、お寺やお墓まで行って、
振り返らないようにしながら、自宅までその火を持ち帰ることが「お迎え」の儀式である地域が多いようです。

お盆といえば、人によっては休みが少なかったり、個人的な事情によって、
午前中だけ午後だけ、夜だけとお迎えするための
時間を取ることができない場合もないわけではありません。

ですから、何時にお迎えに行かなければならないといった決まりごとはないとされています。

もちろん、あんまり夜遅くになってしまうと、
事故などに巻き込まれる可能性もありますので、
常識の範囲内で決めた時間に行うようにしてください。

お盆のお供えはいつからするのがベスト?

そんなお盆のお供えですが、813日までに間に合えば、
それよりも早くなっても問題ないとされています。

たとえば、お盆休みに帰省することになっている方であれば、
帰省したときに持参すれば良いですし、もしも、帰郷することができない人であっても、
お盆に入る13日までに到着するようにお供えを送るといった手続きをしておけばよいでしょう。

今では、宅配物は日時指定が可能ですので、
先方が受け取るのに2~3日の余裕を持たせておくといった昔のような配慮は必要ありません。

また、到着予定日をあらかじめ先方に連絡しておくようにすれば、
テレコになることなく、スムースに受け取ってもらうことができます。

そう考えると、便利な世の中になったものですね。

お盆にお供え物をする意味とは?

先にも少し触れましたが、お盆にお供え物をする意味は、
何も、法事を執り行なってくれるお坊さんやお寺さんへのお礼という意味でもなく、
実家の人への手土産でもありません。

本来、お盆の間だけ戻ってきてくれたご先祖様に対する
感謝の気持ちを示すための品物がお供え物だからです。

そして、お供え物は、お盆の期間がすぎれば、親戚やご近所さんでそれらを分け合う、
いわゆる「お下がり」をちょうだいすることとなります。

一度仏様のものとなったお供え物は、パワーが充填されているので、
お下がりをもらった人にも、健康運などのご利益があるとされています。

とはいえ、くれぐれも、自分が食べたいからという理由だけで、
お供え物を選ぶのは、本末転倒であると言わざるを得ませんよ。

お盆のお供えに団子が選ばれるのにはちゃんとした意味があった?!

お盆のお供えといえば、よく目にするのがお団子ではありますが、
じつは、お供えにお団子を用いるのには意味があってのことだって知っていますか?

お迎え団子・お供え団子・お送り団子といった3種類があり、
それぞれ次のような意味があると言われています。

①お迎え団子とは、813日頃、お盆のはじめに、
帰ってきてくださったご先祖様をねぎらい、歓迎するためにお供えするものです。

②お供え団子とは、いわゆる814日か15日頃、
戻ってきてゆっくりなさっているご先祖様に対して、
正式なお供え物としてお召し上がりいただくといったニュアンスを持っています。

③お送り団子は、81516日頃、
また来年のお盆まで黄泉の国へ戻っていかれる
ご先祖様にお持ち帰りいただくために用意するお供えといった意味があります。

お団子のタイプは、お迎え団子はあんこが入った丸いものが、
お供えにはおはぎやきな粉をまぶしたようなものを、
お送り団子には白いシンプルなお団子が使われることが多いようです。

今ではスーパーマーケットでも見かけるお供えのお団子ですが、
数やサイズなどに特別な決まりはありません。

変わり種のようにも思えますが、
みたらし団子や三色団子を用いる地域もあるようです。

お盆のお迎え団子は作るのが難しい?! スーパーで購入しても良い??              

お盆のお迎え団子を手作りする風習の残るお家もあるでしょうが、
今では「お迎え団子」という名前でスーパーマーケットで手軽に購入することができます。

ちなみに、私は上新粉を水と混ぜてこねて、丸めたものを蒸して作ったことがありますが、
思いのほか難しくて、ちょっといびつな形になってしまったことを後悔してしまいました。

できることなら、ご先祖様をがっかりさせることのないような
美しくおいしいお団子を作ってあげましょうね。

お盆のお供え物に砂糖菓子が用いられるワケ  

よくご仏壇の前に置いてあるのを見かけることの多い蓮の花やスイカなどくだもの、
菊の御紋をイメージした砂糖菓子ですが、それにも使われる理由があります。

とくに、砂糖菓子のなかでも、
落雁と呼ばれる口の中で溶けてしまうようなもろさが特徴のものが使われています。

目にも色鮮やかな落雁は、砂糖菓子であるのに干菓子であり、
日持ちするだけでなく、型抜きがしやすい、リーズナブルといったメリットがあるため、
採用されたと言われています。

ちなみに、蓮の花は仏様のシンボルであり、おもてなしの意味が込められているのです。

お供えをしたあとは、そのまま頂いてもいいですが、
お料理や飲み物に入れてもお砂糖のような風味を楽しむことができますよ。

お盆の迎え火と送り火!正式なやり方を知ってますか?

正式なものは、まず迎え火は、ナスの牛やキュウリの馬を飾ってから、
焙烙というお皿をベランダかご仏壇に設置、お寺さんへ行って、
オガラを焼いてもらったものを盆提灯に付けて持ち帰り、
炮烙の上に設置するという方法になります。

近くにお寺さんがない場合には、自宅で炮烙にオガラを乗せて火を点けて、
そのまま盆提灯に火をともしてもいいようです。

また、送り火はその逆に、最終日の夕方に、オガラと共に、
胡瓜ナスで作った馬や牛などの乗り物とともに火をつけて焚き、ご先祖様にお帰りいただく慣習です。

地域によっては、精霊流し・灯篭流しを行うこともあり、
京都の夏の風物詩でもある「五山の送り火」もその一つであるとされています。

お盆にお墓参りをしてお迎えする風習について              

お盆にお墓参りをする風習は全国的にあり、
そのために里帰りをする人も少なくありません。

そして、その場合にも、お墓の掃除やお供え物やお花を墓前に飾るようにし、
雑草などの手入れをし、ろうそくとお線香を立てて、墓石にお水をかけて、合掌するといった習わしが基本となっています。

ところが、最近はお墓参りをしてくれる人が少なくなってしまい、
致し方なく「墓じまい」をするご家庭も珍しくないようです。

お墓も土地に対する年間管理料がかかってくるものですので、
放置されて荒廃してしまうようであれば、ご先祖様もさぞや心苦しい思いをされるに違いありません。

生涯未婚率が高まっていることからも、
今後は、樹木葬や納骨堂を利用しようとする傾向が強くなると思われます。

将来、参りたくてもお墓がないなんていう事態もあり得ると言えそうです。

まとめ  お盆のお供えへのお返しをする時期っていつ?      

いかがでしたか?

お盆についていろいろ見てきましたが、
日本特有の考え方が根付いているものだということが
お分かりいただけたのではないでしょうか。

そもそも、最近ではお盆といえば、海外旅行に行くとか、
ゆっくりと日頃の疲れを癒やすために使う人が跡を絶たず、
本来のお盆の意味合いが忘れられてきているようなところがあります。

そのため、お供えものに対するお返しをする時期についても、
知らない人が増えることが予想されます。

正しくは、7月がお盆に当たる地域では7月中に、
8月の地域は8月中にお返しすることがマナーです。

いずれは、忘れられていく&馴染みがなくなるであろう風習でしょうけれど、
やらなくなっても「お盆」のそもそもの意味・慣習だけは
語り継いていかなければならないように感じました。