猫にとって春は『換毛期』、『発情期』など、
身体的・精神的に不安定になることが多い季節なんです。
日頃から健康に気を付けているつもりでも、
ちょっとしたことが原因で体調を崩しやすくなります。
あなたのおうちの猫、「いつもと何か違うな」と
思い当たることはありませんか?
目次
猫は春になると痩せる!?
うちの猫、春になってから食欲が落ちた気がする、と感じる方。
寒い時期は、食事をとって体の中にエネルギーを蓄え、
体の温度を保つために、たくさんご飯を食べます。
一方で、春になって温かくなると、
そのエネルギーが不要になり、
結果として食べる量が減ります。
寒さに負けないようにたくさん食べていた反動で、
食欲が落ちたように見えているのかもしれません。
また、猫は春になると嘔吐が増える事があります。
原因として考えられるのは、グルーミング(毛づくろい)によって
飲みこんだ毛を吐き出そうとしていること。
春は換毛期のため、いつもよりたくさん毛が抜けます。
すると、自分で舌を使ってグルーミングするときに、
いつもより大量の毛を飲み込んでしまうわけです。
吐き出したものに毛が混ざっていないか、よく観察してみましょう。
猫はもともと食べ物を吐きやすい体のつくりをしていますが、
春は猫にとって吐く原因が多いシーズンと言えるかもしれません。
しかし、3日以上何も食べない・飲まない日が続いたり、
1日に何度も嘔吐したり、吐いたものに血が混ざっている場合には、
病気の可能性があります。すぐに専門家に見てもらったほうが良いでしょう。
猫が春になってくしゃみをし出した! もしかして花粉症?
愛する猫がくしゃみをしていると、気になりますよね。
猫も春になると花粉症にかかることはありますが、
猫の場合、症状は鼻ではなく、皮膚にあらわれます。
体をかいたり、なめたりする回数が増えているなら、
花粉症かもしれません。
では、くしゃみは何が原因?
大きく分けると、くしゃみの原因は2つあります。
ひとつは、単純に『鼻に異物が入ったこと』。
空気中のホコリや、刺激の強いにおいが原因となって、
くしゃみをします。この時のくしゃみは、1回程度の少ないものです。
では、何度もくしゃみをしている場合はどうでしょう。
何度も続くくしゃみの時は、もうひとつ別の原因の可能性があります。
ズバリ、『病気』です。
くしゃみと一緒に鼻水や鼻血が出たり、
目やにで目元がベットリしていたりしませんか?
もしこういった症状が出ているならば『ねこかぜ』の可能性があります。
すぐに病院に連れていってあげましょう。
猫は春になると凶暴になる!?
猫には1年に3~4回の発情期がありますが、
特に春に発情しやすいと言われています。
発情期になると、特にオス猫は凶暴になり、
メス猫を求めて頻繁に鳴いたり、縄張りを示すために、
家の壁や柱などにかなり臭いオシッコをしたりします
(このにおいが強烈で、全然とれません…)。
春になると猫が喧嘩している声がよく聞こえるのは、
発情期で凶暴化したオス猫同士がばったり出会ってしまったからでしょう。
また、積極的に外に出ていこうとするため、
脱走する可能性も高くなります。
外飼いの猫が春になって帰ってこないという事もよく起こります。
室内飼いの場合は、玄関に通じる部屋の扉を閉めておく、
柵を作る、といった対策をとったほうが良いでしょう。
メス猫の場合は、オス猫のように凶暴化することはあまりないようですが、
やはり外に出たがったり、オス猫を求めて鳴いたりすることが増えます。
昔の人が「猫が夜に鳴くころになると春が近づいてきたな」と句を読むほど、
猫の夜鳴きは春の風物詩ですが、一緒に生活していると、
ずっと鳴かれたり、凶暴化して引っかかれたりするのも困りものです。
また、発情しているのに相手が見つからないことは、
猫にとっても多大なストレスにつながります。
子猫をつくりたいという強い希望がないのであれば、
去勢・避妊手術はしっかりしてあげましょう。
このように、春は猫が喧嘩っぽくなったり、
夜鳴きが多くなったり、毛玉を飲み込んで吐いてしまったりと、
普段と少し様子が変わったように感じることがたくさんあります。
『発情期』、『換毛期』という猫にとって
切っても切り離せない習性によってこれらの問題は起こります。
また、人間と同じように、
季節の変わり目によって体調不良を起こす猫も少なくありません。
猫の平熱は約38℃。人間より、少し暖かめです。
猫にとって春の温度は、人が感じるより少し肌寒いのです。
あなたがちょうどよく感じる温度も、
猫にとっては寒いこともあります。
そんな時は、春でもエアコンをつけてあげましょう。
猫にとってエアコンは春でも必須アイテムです。
猫ちゃんはストレスに弱い生き物です。
日頃から生活の様子をよく観察して、いち早く異変に気付いてあげてください。