お墓参りに線香を焚く意味は、次のような理由があるとされています。
目次
①線香は故人の食べ物
故人がなくなってから仏の世界へ旅立つ四十九日が過ぎるまで
線香を焚いて故人がお腹が空かないようにしよう、
という意味が込められています。
腹が減ってはなんとやら、仏様のところまでの長い道のりを
無事乗り切ってもらうための食べ物なんですね。
②心身を清める
線香の香りで俗世でついたにおいが消えて、心身が浄化されると言われています。
お墓参りの前に線香をあげることで、仏様と向き合う前に身を清める意味があります。
③故人に思いを伝える
仏教では線香の煙を通して、故人に思いを伝えることができるとされています。
線香の煙が架け橋となって、コミュニケーションの助力してくれているんですね。
他にも、線香の煙は仏の世界への道しるべとなるという説があったり
ゆっくり立ち上る線香の煙を見て、心を落ち着かせる意味合いがあるそうです。
線香の煙や香りは主に故人のためのものですが、現世に残る家族や大切な人との繋がりを
持たせてくれるためのものなんですね。
さて、線香を焚く意味がわかったところで、
ここからはお墓参りでの線香にまつわるちょっとした知識をご紹介していきましょう。
お墓参りの線香の火のつけ方は?簡単につける方法は?
お墓参りで線香に簡単に火をつけるなら、チャッカマンかロウソクがおすすめです。
安全かつ、確実に火がつきます。
一般的に、お墓参りでは線香を束のまま火をつけます。
経験したことがある人はわかると思いますが
線香を束のまま火をつけるのって意外と難しいですよね。
チャッカマンとロウソクは、そのあたりの問題をほぼ感じることはありません。
チャッカマンには線香用のものがあり、風よけのカバーがついていたり
火力を一点集中できるバーナーのようなタイプのものがあります。
筆者も以前は火種を作ってお線香に火をつけていたのですが、
時間もかかるし後始末も大変なので、線香用のチャッカマンをamazonで買いました。
現物を見るまではこれぞチャッカマン!みたいなものを想像していたのですが、
黒を基調としたコンパクトサイズのものが多く、
お墓参りに邪魔にならないデザインになっています。
持ち歩きにも便利なので、一つ持っていると楽ですね。
ロウソクは、太めのものが良いでしょう。
細いとすぐ倒れたり、持ち運び中に折れてしまうことも考えられます。
お墓の端の方でロウを垂らして安定させれば、
両手もあいて線香の束をしっかり握ってゆっくり着火できます。
ロウソクはチャッカマンより風の影響を受けやすいので、
立てる場所などはその時々で変えてみてくださいね。
お墓参りの線香に置き方がある?その違いや理由とは
線香は、宗派によってそれぞれ違う置き方があります。
お墓参りの線香の本数が、1本なのか3本なのか、線香を折るか折らないか
それぞれの宗派で変わります。
お墓参りの線香を寝かせるのか立たせるのかにも宗派ごとの違いがあります。
きちんと故人を供養するためにも、まずは宗派を確認するのが良いですね。
その宗派の線香の置き方にならって、線香をあげるようにしましょう。
あとお墓参りの際の線香の向きですが、
寝かせる場合どちらに火が向くように置くかご存知ですか?
答えは、左向きです。
これにも、ちゃんとした理由があるんです。
仏教では左手は不浄を表わしていて、右手は清浄を表わしているとされています。
火のついた左側から右側へ少しずつ燃やしていくことで、
不浄から清浄へという意味を込めているそうです。
何気なく焚いているお墓参りの線香も、意味を知れば感慨深く
供養って大事なんだなという気持ちになりますね。
お墓参りの線香はそのままにして帰っても大丈夫?線香の後始末の方法とは
お墓参りの線香をそのままにしてよいかどうかは、
その墓地または霊園に確認しましょう。
墓地や霊園にはそれぞれ決まりがあり、
線香の後始末についてもお墓を立てた時に説明されてることがあります。
墓地や霊園には必ず管理事務所があるので、分からない場合は
線香の後始末の方法を聞いてからお参りするようにしましょう。
本来は、線香の火がついている間は故人のことを想い
その火が消えるまで傍にいるのが理想です。
その方が、故人も喜びます。
しかし、線香の火が消えるまで線香の長さにもよりますが
一般的なもので20~30分かかります。
中には時間がない方もいますし、
事情により早々に帰らなければいけないという方もいます。
そういう場合は線香はそのままにせず、水をかけて
しっかり火が消えたことを確認してから
まとめて燃えるゴミとして処理しましょう。
線香が燃えた後の灰についても同じです。
放っておくと灰が散らばったり雨で固まったりして、
後々迷惑になり掃除が大変になります。
どちらにしても、墓地や霊園での決まりに従うようにしてくださいね。
雨の日のお墓参り、線香は焚くべき?雨の日の注意点とは
雨の日でも、お墓参りに行ったら線香は焚きましょう。
最初にもお伝えした通り、線香は故人の食べ物です。
そして、身を清めたり故人との繋がりにもなる大切なものです。
家族や親しい間柄の人と一緒に話しながらご飯を食べれたら、
故人もすごく嬉しいはずです。
ご自身のためにも、故人のためにもぜひ線香は焚いてくださいね。
少し困ることとしては、雨の日は線香に火が付きにくいことです。
傘を差しながらでは片手がふさがって危ないですし、
かといって雨宿りできるようなスペースも中々ないですよね。
ですが、先ほどご紹介したような
チャッカマンを使うと簡単に火がつきます。
これは、筆者が実体験済みです。
できれば、風よけがついているものがいいです。
風よけが雨よけにもなってくれるので、
ほぼ濡れることなく着火できます。
余談ですが、雨の日のお墓の水かけはした方がいいですよ。
故人にとって、お水もとても大切です。
線香が食べ物なら、お水はまさに飲み物です。
雨水を飲んでくださいと言われたら、あまりいい気はしないですよね。
お腹にもよくなさそうです。
雨の日でも水道から水を汲んで、故人に渡す気持ちでかけてくださいね。
まとめ
お墓参りの線香には、色々と意味があるんですね。
改めて、お墓参りの大切さがわかりました。
筆者が初めてお墓参りに行ったのは中学生だったのですが、
線香をどこで買うのかわからなくて困ったことを思い出しました。
今では品質に差はありますが、ネット通販や100均ショップ、スーパーなど
線香が置いてある場所が増えたので気軽に買うことができますね。
線香には作法やマナーなど、気をつけたいこともありますが
故人を想い線香を手向けることこそが一番大切なことのように思います。
出来れば、時間に余裕をもって線香を焚いてから消えるまで
故人とゆっくり話をして、良いお墓参りにしてくださいね。